アニメ【推しの子】第1話に込められた数々の工夫や技術を語りたい

2023年6月19日

「【推しの子】面白すぎーーー」や「作画凄い!!」や「ここが面白い!」などの感想は今現在、大量のブログやらサイトやらSNSアカウントで投稿されまくっている。

だがしかし、それがどんなテクニックを使って実現されているのか?を解説している記事はインタビュー以外はほぼ皆無といっていいだろう。

これは今後のアニメ歴史において損、ということで今回はアニメ【推しの子】第1話に込められたたくさんの工夫やテクニックを語りたい。

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90分を飽きさせない為に、ノイズを極限まで減らす

1話はご存知の通り90分というアニメにしては死ぬほど長い尺があったのだが、観ていて疲れたなと思ったかはどれほどいるだろうか?

年齢や忙しさによって変わるのだろうが、大多数は”疲れなかった”と答えるだろう。

この疲れなかった理由は果たして何なのか?と私はこの作品を2回観た時に考えた結果、ノイズが極限まで減らさていた+赤坂アカさんの武器である圧倒的テンポ感がこれを生んでいるのだと結論づけた。

【追記:12回視聴後】
もうわからんわ。漫画にはたくさんある台詞がない、空想が少ない、作画の質、ツッコミの量、場面切り替えのおかげなのかな。

ノイズとは?

原作を既に読んでいたから気づいたのだが、アニメ1話で物語にそこまで関係しないような脱線しているような想像や人物を限りなく削っていた。

原作1巻を読みながら見比べてみてほしいのだが、「この表現わかりにくいな」という想像はほぼ全部削っていた。

音の工夫凄すぎないか?

実は私は1話を最初1回目に観ている時に結構テキトーに見ていた。

「よし!観るか!」ではなく「まぁ観てみるかー、へー、へー」という舐め腐ったような見方をしていた。というのも放送前から「【推しの子】はアニメの歴史を変える!」という意見が散見されていてここでノッたらノセられている感が辛かった。

だが、それでも感動してしまう”音の工夫”が1話にはたくさん散りばめられていた。

その最たる例としてここでは最後のあの某シーンを取り上げよう。

  • BGMはあくまでBGM
  • 声優の演技
  • 声のボリューム調整
  • 叫ばない
  • 約10秒間の無音

人間は情報量がたくさん与えられている状況で、急に情報量を減らすとそこに集中してしまう生き物。

これは5回ぐらい視聴した時にカウントしてみたのだが、1番この作品で衝撃的だったシーンが終わった後、約10秒間無を作り出していたんだ。

この技術によって「重大なことが起きたんだ」と本能的に感じさせられる。

今まで、BGMや声優の声、効果音等色々言ってみたら雑音がずーーっと流れてきた。でも急にそれが10秒間も消された。

これは満足してしまう。凄いもの観た感を得られる。

声のボリューム調整・叫ばない

声のボリューム調整が凄くて、一番凄いのは「あぁ…」の前の言葉をASMR風にしているところ。あのの強弱に人はやられてしまう。いわゆるギャップ萌えというやつ。

もうエンタメがありふれているこの世の中で悲しいシーンに「あーーーー」という大声とか泣き声を出すと人は冷めてしまう。テンプレだから。そこを【推しの子】では無音にするのが天才的 な

BGMに主張を入れない

ゆるキャン△のBGMを思い出すことは容易い、だが【推しの子】のBGMと聞いて思い出すことは難しい。

でも、BGMを意識して【推しの子】を改めて観てみると「あれ?全然音鳴ってるじゃん」ということに気づく。

そう、BGMがしっかりと裏の立役者(BackGroundMusic)になっていたんだ。これによって作品に味気がないと言うことがなくなり、でも消すと困惑するという状況を作りだせるんだ。

だから”ありきたり”でも面白い

正直刺されるなんて、誰でも予想できる。でも面白かった。それってじゃあ、なんで?

ありきたりだから

ありきたりはアニメ『シャドーハウス』レビューで述べたとおり面白いからありきたりとして存在している。

だからそれを正しく使いこなせば、面白くなるに決まってる。

その最たる例が最後のシーンで中途半端で終わるところ。そこをあえて、叫ばないから、ありきたりにしない(2度目)から、ありきたりが生きる。

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【パクリ×1000】アニメ『シャドーハウス』 レビュー・感想

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フィクションとノンフィクションが混ざるから面白い

【推しの子】の原作者:赤坂アカ先生はこの作品を作る上でたくさん取材をしていたらしい。これはノンフィクション。

推しの子として産まれるというのはフィクション。

推しの子が神という設定を信じてくれるのがフィクション。

話が上手く進むのがフィクション。

ドアハンドル。これはノンフィクション。

あとがき

あとがきです。

動画工房が凄い、というのを辞めにしないか?

アニメは1つの会社だけで作られていないことがほとんどである。
【推しの子】に関しては特にそうでアニメーション制作に【動画工房】と書いてあるけれど、クレジットには動画工房以外にも大量の制作会社・制作スタッフの記述がされている。

確かに動画工房や京都アニメーションは凄い。でも確実にそれ以外にも大量にスタッフが関わっていることを忘れてはならないし、除外してもいけない。

だからこれから作画が良かった時に「特定会社、凄いな」というのを辞めて、「このアニメの作画凄いな、この作品に関わった全製作者に感謝」と述べてほしいなと強く思う。

今更投稿した理由

1話視聴:4月16日
執筆:4月16日〜
投稿:6月19日

この記事を執筆している時は「もっといい文章書けるだろ」と自分にハードルを上げに上げ、投稿を見送っていた。それは最初に書いた概要でもわかるだろう。

が、今見返すとそれなりに面白い内容に仕上がっていたので推敲・追記して投稿させていただいた。

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